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技術コラム

自動盤によるバニシング加工・ローラーバニシング加工

近年、製品の高機能化や高精度化が進む中で、切削加工後の仕上げ品質に対する要求もますます厳しくなっています。特に、外観品質や摺動性能が重視される部品では、従来の切削や研削だけでは対応しきれない場面も増えています。こうした背景の中で注目されているのが、塑性変形を活用して表面をならす「バニシング加工」です。

本記事では、バニシング加工の基本や、自動盤での活用メリットについてお伝えいたします。

バニシング加工とは

バニシング加工とは、金属表面の微細な凹凸を押し潰すことで平滑な仕上げ面を得る、非切削の塑性加工です。主に切削加工後の仕上げ工程として用いられ、工具やワークの摩耗を抑えながら、面粗度の向上を図ることができます。

この加工では、被加工材の表面に一定の圧力をかけて塑性変形を促し、表層を均一にならします。これにより、切削では取りきれない微小な凹凸や工具痕をならし、鏡面のような光沢ある表面に仕上げることが可能です。また、加工に伴い表層が加工硬化するため、耐摩耗性や耐久性の向上にも寄与します。

さらに、バニシング加工は、Rz2.0μm以下の面粗度を求められる場面で非常に効果的であり、研削加工の代替として活用されるケースも少なくありません。工程集約が可能なため、切削加工の流れにスムーズに組み込むことができ、加工時間の短縮やコストダウンを実現できます。

ただし、素材によって加工適性には差があります。鉄やステンレスのように塑性変形しやすい材質では、バニシング加工の効果が得やすく、仕上がりも良好です。一方で、アルミニウムや黄銅などの被削性に優れる素材は、塑性変形しにくいため、バニシング加工の効果が出にくく、表面のならしや硬化が難しい場合があります。こうした素材特性も、適用可否の判断材料として重要です。

仕上がった表面は反射性に優れ、滑らかな質感を持つことから、外観品質や摺動特性が求められる部品に対しても理想的な加工方法です。精密部品や高機能部品の仕上げにおいて、バニシング加工は有効な選択肢のひとつとなっています。

 

ローラーバニシング加工とは

ローラーバニシング加工は、バニシング加工の一種で、高硬度のローラーを用いてワーク表面を塑性変形させることで平滑に仕上げる技術です。ワークが回転している状態で、専用のローラーツールを接触・圧接させることで、表面の微細な凹凸を押しならし、高精度な面粗度を実現します。

自動盤でバニシング加工をするメリット

バニシング加工を全周に施す必要がある円筒形状のワークに対しては、自動盤が極めて有効です。材料をバー材から連続的に加工する構造上、チャッキングが不要または最小限で済むため、ワーク全体にわたってバニシング加工をすることが可能です。

一方で、NC旋盤ではワークをチャックで把持する必要があるため、把持部分には加工ツールがアクセスできず、バニシングが行えません。この場合、後工程でバニシングを適用するために、加工後に除去する“捨てボス”を設ける設計的配慮が求められます。

 

自動盤でバニシング加工をする際のポイント

バニシング加工を行う前に、切削時に発生した切粉を完全に除去することが絶対条件です。切粉がワーク表面に残ったまま加工を行うと、ローラーとワークの間に切粉が噛み込み、仕上げ面にキズを残す原因になります。

特に高い面粗度が求められる製品では、こうした異物混入による欠陥は致命的です。エアブローやクーラントによる洗浄、切粉排出のタイミング設計を適切に行い、清浄な状態でバニシング加工に移ることが品質確保の鍵となります。

 

自動盤でのバニシング加工事例:スペーサーブランク

 

本事例は、高精度な面粗度(Rz3.2)が要求されるスペーサーブランクに対し、通常必要とされるセンタレス研磨を省略し、自動旋盤でのローラバニシング加工のみで仕上げを完了したものです。この工夫により、工程の簡略化と大幅な加工時間の短縮を実現しています。

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自動盤でのバニシング加工なら当社にお任せください!

バニシング加工は、切削では得られない高品位な表面仕上げを実現する手段として、多くの加工現場で活用が進んでいます。特に、鉄やステンレスなどの塑性変形しやすい材質であれば、短時間で高精度な仕上げが可能となり、研削工程を省略できる場合もあります。

また、自動盤との相性が良く、全周バニシングの実現や工程集約によるコスト削減にもつながります。

バニシング加工をご検討の際は、是非当社にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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