SUS410の切削加工

sus410とは
SUS410はマルテンサイト系ステンレス鋼であり、熱処理によって優れた強度と靭性を発揮します。11.50〜13.00%のクロム(Cr)を含有しているため、十分な耐食性も持っています。また、鉄(Fe)の含有量が多いため、磁石に引き付けられる性質もあります。
SUS410の特徴
①耐食性
SUS410は、11.5〜13.5%のクロムを含有しており、一定の耐食性を備えています。ただし、オーステナイト系ステンレス鋼(例:SUS304)ほどの耐食性はありません。水や大気中では良好な耐食性を示しますが、塩分や酸性の環境では腐食しやすいため、使用環境の選定が重要です。
②機械的性質
また、SUS410は高い強度と硬度を持つのも特徴の一つです。特に、焼き入れや焼き戻し処理を施すことで、硬度をさらに高めることが可能です。処理後の硬度はHRC40〜50程度となり、耐摩耗性が向上します。この高硬度により、摩耗に強く、長期間の使用に耐えうる優れた寿命を発揮します。
③加工性
SUS410は加工硬化が少なく、冷間加工や機械加工が比較的容易です。切削性にも優れています。他のステンレス鋼と比べて、加工中に硬くなりにくいため、複雑な形状や精密部品の製造に適しています。旋盤加工、フライス加工、穴あけ加工などの一般的な加工も容易に行うことができます。
SUS410の切削加工におけるポイント
①クーラントの使用方法の工夫
クーラントは、切削加工においてワークと刃具の潤滑、冷却、洗浄を行い、発熱を抑える重要な役割を果たします。特にSUS410は切削時に熱が逃げにくく高温になりやすいため、適切なクーラントの使用が不可欠です。
当社では、高圧クーラントを使用し、切削点にピンポイントで供給することで効率的な冷却を実現しています。さらに、クーラントの流量を増やす工夫や、オイルスルーホルダーを活用して刃先を効果的に冷却することで、刃具の寿命を延ばし、切粉処理の効率を向上させています。
②最適な切削速度で加工する
また、SUS410は、加工条件を最適化にして加工をする必要があります。切削速度が早すぎても遅すぎても加工精度が出なかったり、歪みが発生したりするため、当社では、100m/分に設定することで安定した加工を実現しています。
SUS410の切削加工事例
こちらは、自動車用ディーゼル燃料噴射装置に使用される継ぎ手部品です。B軸を活用することで、傾斜した形状や、その傾斜面に対して垂直な穴あけを同軸加工で対応しています。直線軸とは異なる回転軸を用いて加工を行うことで、より複雑かつ高精度な仕上がりを実現し、治具の不要化も可能にしています。
SUS410の切削加工は当社にお任せください!
こちらの記事では、SUS410の切削加工についてご紹介しました。
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