銅の量産旋盤加工
銅の特長と切削性
銅は他の金属に比べて柔らかく、また、熱伝導率も非常に高い材料です。工具や材料に蓄積された熱を効果的に逃がすことができるため、加工も比較的容易です。
その他にも以下のような特徴が挙げられます。
・高い導電率を持つ
・温度が200℃以上になると軟化する
・錆びにくい性質を持つ
・磁性を持たない
・金以外で唯一、金色の光沢を持つ
銅の種類
銅は成分ごとによって様々な種類があり、切削性も異なります。当社において加工実績がある銅は以下の通りです。
・C5191
・C1100
・C1700
・C2700
・C3604
銅の旋盤加工におけるポイント
適切な切削速度にする
銅は、切削抵抗が大きい金属であるため、切削速度を遅くしすぎてしまうと、抵抗が余計に大きくなり加工しにくくなります。反対に、切削速度を速くしすぎると、工具や部材が高温になり、加工精度に影響を与えてしまいます。
クーラントの使用に注意する
水溶性クーラントを使用すると、銅と反応してしまい変色する可能性があることに注意が必要です。また、油性クーラントを使用する場合は、不活性形(N1種~N3種)のクーラントを使用し変色を防止する必要があります。
部材が変色すると見た目が悪くなるだけでなく、選んだクーラントによっては銅の成分がクーラントに溶け出し、べたつきが発生する可能性もあります。
切粉の処理
銅の旋盤加工は、切粉が分断されにくく、切粉による詰りやからまりが発生しやすくなります。そこで当社では、インチングをすることや、高圧クーラントをかけることで切粉を分断して処理を行います。また、振動切削ができる自動盤で加工することで、切粉の詰りを防止しています。
銅の材質に合わせた刃具の形状の選定
銅の種類にも様々あり、材質により切削性も変わってきます。銅は、粘り気が強い特徴があるため、工具のすくい角が小さいと、削りかすをうまく逃がすことができなくなります。
そのため、すくい角が大きい刃具を選定した上で、加工を行う必要があります。
銅の旋盤加工 製品事例
ホルダー C5191
こちらは自動車のエンジン回りに使用されるホルダー部品です。縦のすり割り部分を加工するために特殊な刃物を用いてスロッター加工を行っております。また、クロス穴を加工する時に必ず発生するバリについても砥粒で研削しています。
車載エアコン用パイプ C1100
こちらは車載用エアコンの制御に使用されるパイプ部品です。純銅に近い材質を深穴加工する際に汎用工具では切粉が工具に絡みやすく、排出に課題があるので特殊刃具を製作して加工しました。
銅の量産旋盤加工は、量産自動盤加工.comにお任せください!
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