チタンの切削加工(自動盤加工)|キュリアス精機株式会社(愛知県)
今回の記事では、チタン加工の基礎知識として、
①チタンの加工が難しいとされる理由
②チタンの加工におけるポイント
を紹介いたします。
チタンについて
チタンは鉄の約2倍、アルミの約3倍の強度がある、強度の高い金属です。強い衝撃を受けても壊れにくいため、高い強度が要求される航空機やロケットの部品をはじめ、耐久性が求められる部品に使用されています。
また、ステンレスと比較しても耐食性が高い点や、鉄や銅と比較して、軽い点も特徴です。
チタンの加工が難しい理由
チタンは加工の難しい難削材と呼ばれています。その理由は主に以下の5つです。
1.強度が高い
先述した通り、チタンは強度が高いため、切削時の工具寿命が短くなってしまいます。
2. 変形抵抗が大きい
チタンは、変形抵抗が大きいため、加工時に熱が発生しやすくなります。
3.熱伝導が低い
その他の金属と比較して熱伝導率が低いチタンは、切削加工をする際に熱が逃げず、溜まってしまいます。それにより、工具と加工材に熱が蓄積し、工具摩擦が激しくなります。
4.全属活性が高い
チタンは極めて活性であるため、切削速度が増すと、ワークに熱が発生しやすいです。切削部の温度が高くなり、工具の磨耗が激しくなります。
5.ヤング率が小さい
チタンはヤング率が小さいため、加工時にワークが大きく変形する恐れがあります。特に、厚みが薄い場合は、ヒビが発生したり、加工精度が低下しやすいです。
チタンの加工におけるポイント
①切削速度
チタン加工において、工具の摩耗を防ぐために切削速度は特に重要です。切削速度が速すぎると、熱伝導率の低いチタンでは、熱がたまり続け工具の摩耗が進んでいきます。
そのため、切削速度は可能な限り遅くし、工具の摩耗を防ぐ必要があります。
②加工環境
もう一つ重要なポイントは、加工環境です。先述した通り、チタンはヤング率が小さいため、振動が加わると、ヒビの発生やたわみが起きやすく、品質低下に繋がります。そのため、振動が伝わりにくい場所で加工することが重要です。
③切削工具
チタンは熱伝導率が低いため、熱がたまるのを防ぐことを目的として、先のとがった切れ味のよい工具を使用する必要があります。また、切削油を使用し、工具の摩耗を防ぐ必要があります。
チタンの製品事例
温度センサー部品
こちらは、温度センサーの部品です。
材質がチタンという難削材のため、
・切粉の処理
・刃具の極度な摩耗防止
がポイントです。
具体的には、自動盤を用いて、振動切削を行いました。 自動盤で振動切削を行うには、自動盤に付加価値装置を付ける必要があります。当社では、振動切削ができる付加価値装置が付いた自動盤を保有しているため、チタンの加工においても、切粉の処理を容易に行うことが可能です。
また本製品は、ねじ穴の加工が必要でした。ねじの下径の長さと有効径の長さが近似値であるため、汎用のタップによる加工では要求精度を実現できませんでした。そこで、特注のタップを用いて加工を行い、要求精度を実現しています。
量産自動盤加工.com(キュリアス精機)のご紹介
今回は、チタンの加工についてご紹介しました。
量産自動盤加工.comでは、自動盤により、鉄・SUS・アルミなどの金属を月産1万個から100万個以上、量産加工を行っています。
高品質の加工品を安定供給するための加工、検査、表面処理まで量産ラインにおける一貫体制を敷いており、品質管理体制も万全です。
自動盤加工でお困りの方は、ぜひ当社までお問い合わせください。