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技術コラム

バルブ用スプールとは?特徴と製作方法についてご紹介

スプールとは流体の流れを制御するバルブの内部部品である弁体の1種です。方向や経路の切換に用いられる機能部品であるので高い耐摩耗性が要求されることから高硬度かつ高精度であることです。こちらの記事では、弁体の種類について紹介した後に、スプールを製作する上でのポイントをまとめていますのでぜひご覧ください。

弁体の種類について

油圧ポンプから送り出された作動油の方向、圧力、流量を制御するバルブの内部には弁体と呼ばれる部品があります。この弁体の役割は、絞り流路の断面積を変化させ、流体の流れを制御します。そしてその弁体の種類は形状により分類され、大きく①ポペット形と②スプール形と③スライド形に分けられます。

①ポペット形は、弁体が弁座に対し直角方向に駆動し、流路を開閉する構造であるため、弁体が直接圧力の影響を受けます。摺動部がないので寿命が長く、漏れも発生しにくい構造です。

②スプール形は、円筒形の筒の中に串形状の弁体を通したものでそれを軸方向に駆動させ、流路を開閉する構造です。ポペット形に比べ長いストロークを必要としますが、流体圧力の影響を受けません。

③スライド形は、平面で溝や穴に流路を設けたプレートを弁座とし、それに弁体がスライドしながら移動することで流路を切り替える構造のものです。

 

スプールを製作する上でのポイントとは?

スプールを製作する上で重要なことは、方向や経路の切換に用いられるので高い耐摩耗性が要求されることから高硬度かつ高精度であることです。近年の自動車業界における構成する部品の軽量化が望まれるようになり、スプールを含むバルブの素材として、従来の鋼に代えてアルミニウムが用いられるようになっています。そのため、高温下での使用の際、鋼製のスプールバルブと耐摩耗性に劣るアルミニウム製のバルブボディとの熱膨張の差が大きいことにより、両者の間に大きな隙間が生じ、作動油の漏れが多くなってしまうという問題があります。当社では自動盤加工を行い、精度によっては外径を粗研磨します。そして、表面に硬質アルマイト処理を施し、耐摩耗性に優れた陽極酸化皮膜を形成した後、所定の寸法となるように外径を仕上げ研磨して製造しています。

加えて、機能部品のためバリ抑制には十分な注意が必要です。バリの発生はスプールとの隣接部品との組み付け時に部品が正しく組み付けられない場合や設計時に想定した性能が発揮できない可能性があります。バリ自体は薄く強度がないために脱落しやすいのですが、その脱落した鋭利なバリは周囲の部品を傷付けたり、流路を塞いだりする可能性がありますので、高精度に保つためにもバリ取りは入念に確認することにも大事となります。

>>ATミッションバルブ用スプールについてはこちら

 

自動盤加工なら当社にお任せください!

今回はスプールの製作方法ついてご紹介しました。

量産自動盤加工.comでは、鉄、SUS、アルミをはじめとした様々な金属で月産1万個から100万個以上の、複合自動盤を含む自動盤を用いた量産加工に対応可能です。自動盤加工において、工具の選定、寿命管理は加工の品質を保ち、適正なコストで生産を行う上で、とても重要です。当社は、形状や材質にあった工具を用いて、最適なコストで高精度部品の量産加工を提案してきました。


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