自動盤で使用する工具の種類についてご紹介!!
こちらの記事では、自動盤で使用される工具にはどのような種類のものがあるのかを、
チップと呼ばれる材料を削る刃物と、そのチップを機械に取り付けるホルダの種類について解説しています。
自動盤とは
自動盤とは、旋盤加工を行うための工作機械で、NC旋盤を自動化、小型化したものを言います。自動盤は、NC旋盤と同様に数値制御によって加工を行いますが、NC旋盤と違う点としては、長いバー材から連続して加工を行う点です。
そのため、自動盤では、量産生産を行う、小径、長尺部品の加工に向いています。
また、自動盤と呼ばれる機械には、複合自動旋盤というものもあります。複合自動旋盤は、自動盤にフライス加工ができる機能を加えたものになります。
そのため、横穴あけが必要な丸物加工でも1工程で行うことが可能となり、
生産性の向上を図ることができます。
自動盤についてより知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
>>自動盤とは?基礎知識と特徴を解説!
自動盤で使用する工具の種類
チップ
チップは、ワークを切削する刃物のことを言います。
チップには、材質、形状、逃げ角によってさまざまな種類があります。
そのため、製品の形状や材質などに応じて適したものを選定するすることが大切です。
材質による種類
旋削チップに使用される材質は大きく9種類に分けられます。
その中でも「硬さ」「粘り強さ」を併せ持った超硬合金がもっともよく用いられます。
超硬合金チップは、アルファベット1文字と色で規格化されており、適したワーク材質の目安を以下のように表しています。
- P/青 → 鉄鋼
- M/黄 → ステンレス鋼
- K/赤 → 鋳鉄
- N/緑 → アルミニウム合金
- S/茶 → チタン合金
- H/灰 → 焼き入れ鋼
精度による種類
ISO形状チップには、精度等級が定められています。
自動盤では、「G級」、「E級」がよく使用されます。
旋盤加工では、一般的に「M級」が使われることが多いですが、
小径のワークに高精度な加工を施すことが求められる自動盤では、
精度の高い「G級」や「E級」が使われることが多いです。
逃げ角による種類
逃げ角とは、工具の逃げ面と被削材の摩擦を避け、刃先を被削材に送り込む機能を持つ部分です。逃げ角を大きくすることで摩擦が減少しますが、刃先強度が低下します。一方で逃げ角を小さくすることで、刃先強度は向上しますが、摩擦も大きくなり工具寿命が低下してしまいます。
チップの先端形状の逃げ角は、先端形状が90°になっていて逃げ角がない「ネガチップ」と、90°より小さい角度で逃げ角のある「ポジチップ」の2種類あります。
自動旋盤では、CNC旋盤に比べ、小径でかつ高精度な加工を行います。
切削抵抗が高いと「ビビリ」「寸法不良」の原因となってしまうため、逃げ角が付いた「ポジチップ」を使用することで切削抵抗を減らすことができ、安定した加工が可能となります。
ホルダ
ホルダは保持具とも言われ、チップ性能を発揮する上で重要な部品となります。
自動旋盤は小型で、小径部品の加工を行うため、ホルダも小型となります。
そのため、シャンクサイズが「□8, □10, □12, □16」といった小型のものが多くなります。
チップやホルダなど、切削工具には、さまざまな種類があるため、用途やワーク材質によって、
使い分けることが大切になります。
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今回は自動盤で使用する工具についてご紹介しました。
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